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  • 執筆者の写真梧桐彰

武人の語り場(第1回)

更新日:2019年5月31日

梧桐です。クマではないでしょうか。


武道・武術・格闘技の経験者や関係者にお話しを伺うことが多かったので、それをまとめてみようかなと思いました。これからいろんな人にインタビューをお願いしようかなと思っています。よろしくお願いします。

この対談はチャットか電話での記録を一部加工して掲載し、本人の許諾を得たうえで掲載しております。

敬称略となりますがご理解ください。


それでは早速始めましょう。


ネット格闘者ガチャ臏様(以下、ガチャ臏 )


梧桐:初めまして。Twitterで知り合った方ですね。あまり接点はなかったのですが、今回一番にDMを頂いておりまして、ファーストゲストになっていただきました。ありがとうございます。よろしくお願いします。


ネット格闘者ガチャ臏様(以下、ガチャ臏 ):よろしくお願いします。


梧桐:ではまず武道や武術を始めたきっかけと、経歴をいただけますでしょうか。


ガチャ臏 :そうですね。私は小学3年生から親に連れられて近所の少林寺拳法の道院(道場)に通いはじめました。


要は武道をはじめたのは親に連れられたためですが、 正直、少林寺はそれほど面白くなかったです。 道院長はあまり子供に教えるのが上手い人ではなく 基本の突き蹴りをちゃんと教えることもなく柔法(立ち関節技)を重点的に教えてました。


道院長の考えでは 「柔法の面白さを伝えたかった」ということらしいんですが、関節のこねくり回しあいばかりで痛いし面白さがなかなかわかりませんでした。それでも素人にはかかるので素人に関節技をかける嫌な子供になってました。


そのまま大学に入って少林寺部に入りましたが そこでいきなりフルコン形式の乱取りをフルコン経験者とやらされてボコられました。


梧桐:フルコンというのは、直接打撃性の空手ですよね。極真会館とかの。


ガチャ臏 :そうです。それからはまたフルコンやってる奴にボコられたり 喧嘩で同級生にボコられたりするのでこれではあかんと思い、大学卒業したら日本拳法やろうと思いました。


梧桐:日本拳法ですか。あまりメジャーではない格闘技ですが、強いと聞きますよね。


ガチャ臏 :刃牙や餓狼伝で日本拳法の存在は知ってましたから。そんで公務員になって日本拳法やったんですけど、少林寺の頃のフルコンもどきの乱取りしすぎたせいで間合いの概念がなく、ノーガードで接近して殴るような戦法しか取れず全然でした。当時の指導者にもやはり指導のノウハウがなく、やたらセンス センスという言葉がとびかってました。


それでもレスリング経験者のタックルを見よう見まねの動きできったりできたので、自分は腰が強いのではないか、総合格闘技とか向いてるのではないかと思いました。


梧桐:なるほど。ではそのまま今度は総合へ転向ですか?


ガチャ臏 :いえ、それがそうではなくて、ある日酒の席で柔道やってる後輩とゴタゴタになり いったんはそこで収まったのですが。ナメた態度をとったことが許せずそいつの部屋に行って注意したら、投げ技で左腕を粉砕骨折させられ、全治一年間の怪我をおいました。


梧桐:1年!? それは長いですね。


ガチャ臏 :詳細は省きますがそこから職業生活は地獄となり それから3年後に退職しました。それから俺をバカにした連中を見返すために 総合格闘技のジムに行きはじめました。そこで距離の概念ガードのやり方キックボクシングや柔術 ボクシングを始めて5年半となり、今に至ります。


梧桐:ありがとうございました。 それでは少し質問したいのですが、人を傷つける技術を学ぶことについて、どう扱って社会の考え方に合わせていますでしょうか?


ガチャ臏 :人を傷つける技術を学ぶことにより、それを実行することでどういう結果になるかわかるので、実社会では絶対にやりません。もしくは日常で素手で多少の突き蹴りの暴力に過剰反応したり、過度な反撃をやらなくなるっていう、そういうことを心がけています。


梧桐:なるほど、あくまで競技者としてのスタンスなのですね。それでは競技として総合などやっていく中で、悩みはありましたか。スランプのような。


ガチャ臏 :スランプですか。キックボクシングに関しては試合に出るのに3年かかった上 初試合で判定負けとなりました。次の試合では判定勝ちでしたが その間に漠然とした不安がありましたね。 自分はキックボクシングでは誰にも勝てないんでないかという不安が。


柔術に関してはスランプは2,3回あって、試合で何もできずに負けた時はすごく落ち込みましたね。ただそれに対する傾向と対策をやり自分の成長の糧とすることで乗り越えました。

自分が絞め落とされた技を研究してそれを取り込んで自分の得意技にしたりしました。


梧桐:ありがとうございます。総合のジムではキックや柔術を併設しているところが多いので、そこで試合に出た感じですね。そしてそれぞれ困難がある中で工夫してきたと。得意技などあったのでしょうか?


ガチャ臏 :キックボクシングには得意技と言えるほどのものはないですが、あえて言えばひたすら前に出ることとある程度の頑丈さとある程度の首相撲があることでしょうか?


柔術なら上から攻める技なら袖車下から攻める技なら小手絞りでしょうか。小手絞りは過去に試合で絞め落とされた技で、一応、我が物として得意技にしました。


梧桐:今後、体力的な全盛期を超える時期に至ったら、そこから先はどう続けるのがいいと思いますか?


ガチャ臏 :四十代になったらキックボクシングは試合にはでずに 首相撲練習やマススパーやシャドーでそれなりのことを継続するという感じがええんでないかと。


柔術は普通に試合に出たらええんでないかと思います。年齢が細かく分かれてるので

老人や女性がやるのは別に僕と同じとりくみでいいのではないかと思います。


梧桐:柔術は生涯スポーツとしての地位を獲得してきてますよね。では、女性や老人がやることをどう思いますか? やるならどうやるべきでしょうか?


ガチャ臏 :僕だって100キロ超えた屈強な外国人に本気で殴りかかられたら何もできずに殺されるかもしれません。


だから格闘技や武道は誰がやるにしても競技、もしくは運動としてやるべきで、護身云々を考えるなら、それとは別の危機管理の方法などを学ぶべきだと思います。


梧桐:どうもありがとうございます大変興味深いお話をありがとうございます。それではやっていく中で、何かポリシーとして決めているようなことはありますか。


ガチャ臏 :私は他人を批判したり 喧嘩で勝ったと自称する人には、その人と同じ態度で対応することにしています。そんな感じですから、稽古会に誘った方から誹謗中傷されたこともあります。そういう方針ですし、私も他人を批判したりは多少はするので、オフにはできるだけ応じるようにしています。他人を批判する以上、自分がそれをされるのもお互いにやむを得ないと思ってます。いっぺん公園で重量級の元プロシューターとオフでお会いした時には冷や汗がでましたが。


梧桐:尊敬している先生・友人などはいらっしゃいますか?


ガチャ臏 :直接指導を受けたわけではないですがパラエストラの柔術家の中井祐樹先生です。中井先生はバーリトゥードジャパンで体重差のある相手やヒクソンと戦った勇気と、折れない心が尊敬してるところですかね。その結果片目を失明したわけですが、それでも恨みごとをいうこともなく日本の柔術界のパイオニアとなったところですかね。


尊敬してる友人では、ネット上だけのつきあいですが、キックボクシングのトレーナーであるハンドルネーム連続射殺魔さんでしょうか。武道をやって最終的に格闘技にたどり着いた経歴が私とよく似ているのと、努力の結果首相撲で強くなったのと、自分の所属してたところを堂々とディスるふてくされた性格が好きです。


梧桐:どうもありがとうございました。



ネット格闘者ガチャ臏様は、格闘技経験としては非常にまっすぐというか、日本拳法や総合格闘技、キック、柔術など、競技としてはかなりフィジカルもテクニックも要求するジャンルにがっちり取り組み、強い意志を持って継続しているのを感じました。また自ら率先して、主体性を持つことができる分野を見つける姿勢は「アマチュアですが」とはおっしゃっていましたが、一人の格闘家としてもとても尊敬できました。


第一回目から本気度の高いインタビューになり、とても感謝いたします。今後ともよろしくお願いします。

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