梧桐彰
セキュリティ:Boeing 737max の欧州での運航停止について
梧桐です。
墜落同型機の運航停止40か国超、米「運航停止の根拠なし」
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20190313-00000050-jnn-int
エチオピアの事故を受けて、EASA、ヨーロッパでのボーイング737 Maxの全事業を停止。かなり大きな記事です。
ボーイングや米国連邦航空局は当初運航停止に難色を示していましたが、ついに折れました。
トランプ大統領、ボーイング737MAXの運航停止を命令
https://www.cnn.co.jp/usa/35134169.html
現時点でわかっていることを以下に要約します。
■欧州航空安全省の発表
EASA suspends all Boeing 737 Max operations in Europe
■米国の反応
Boeing grounds entire crash aircraft fleet
https://www.bbc.com/news/business-47562727
■背景となったエチオピア航空の事故
ボーイング最新鋭機、半年足らずで2度目の墜落 エチオピア機事故
https://www.cnn.co.jp/world/35133973.html?ref=rss
■技術的な背景の要約
まず、737maxは737にくらべて、効率向上のため新しいエンジンを利用しています。
ところが737はそもそも鼻先が上へ向きがちになる問題があり、これが新しいエンジンによりさらに拍車がかかってしまっています。
この問題を対策するために、フライバイワイヤ(ロッドのような物理的な素材を排して、かわりに電気信号と油圧アクチュエターを組み合わせる技術)ソフトウェアが角度を自動修正する仕様になっています。
これにより、737も737maxもほぼ同じ感覚で操縦できます。
ところが今回の背景となった先日のエチオピア航空の事故の原因は、737maxの角度センサーの較正(計器類の狂い・精度を、標準器と比べて正すこと)に問題があり、20度ぐらいずれていました。
そのためにフライバイワイヤのアルゴリズムが「上を向きすぎていてエンジンが停止しかねないので、すぐに下へ向けろ」との誤判断に至った、ということです。
ただしエチオピア航空の事故ではセンサーの不良のため本来の耐空性(airworthiness)が機能していなかったのがなぜなのか確定していないので、ボーイング側のみに責任を問うのが妥当なのか、判断は難しいところです。
参考サイトとして以下も示しておきます。
The world pulls the andon cord on the 737 max
https://theaircurrent.com/aviation-safety/the-world-pulls-the-andon-cord-on-the-737-max/
ではでは、梧桐でした。